Life Keys Laboratry

人生の鍵を探し続ける

お金 投資

~インデックスファンドでほったらかし投資~その7:インフレが貯金と年金を壊す日

投稿日:2017年4月17日 更新日:

資産を増やすためにリスクを引き受ける

 投資によって資産を増やすには、お金に働いてもらう、という
発想が必要になります。

 逆に、お金を貯金しておくことを投資家は「お金を寝かせる」
といいます。

 お金を寝かせるのか、お金に働いてもらうのかの配分は、
各個人の引き受けることができるリスクによって決まります。

 ちなみに、貯金しかしない、という人はお金の残高が減ること
がイヤなんだと思うのですが、残高は目減りしないけれども、
インフレーション(以下、インフレ)によって10年後にはお金の
価値が下がっていることは頭に入れておいてほしいんです。

 現在、日銀はインフレ率2%を目標に財政政策を行っている
ことをふまえて、以下の計算を進めていきます。

 単純な例ですが、100万円を銀行貯金した時に、インフレ2%が
かかっていた場合、10年後に同じ100万円でも、10年前と比べて
82万円ほどまで価値が落ち込みます。(100×0.9810)≒81.7

 物価ベースでみれば、現在100万円のものは2%のインフレの
世の中の場合、10年後に121万円出さなければ買えないのです。
(100×1.0210)≒121.9

 つまり、インフレが2%だと現在から見て、10年後に18万円も
損をすることになります。
もしくは、21万円多く出さないと100万円だったものは買えない
のです。
ちなみに、インデックスファンドで世界経済株インデックスなど
を購入すれば、5~10%のリターンが期待できますから、仮に
10年間のリターンをならして5%だとした場合、インフレを2%と
しているので、これを引いて3%のリターンと考えると、100万円
は10年後に134万円になります。

 物価ベースで考えれば、リターン5%をそのままで考えるので、
162万円です。(100×1.0510)≒162.9

 若干乱暴な計算ですが、だいたいこんな感じです。
銀行に預けているだけではインフレに対抗できない、ということは
なんとなくわかってもらえたんじゃないでしょうか?

 そして、投資する際に出てくる言葉の一つが「リスクプレミアム」
という言葉です。

リスクを引き受けるなら、どれくらいのリターンがほしいですか?

 リスクプレミアムとは、簡単に言えば、価格が変動する商品に対して
投資家が期待するリターンのことです。
証券で言えば、安定資産である国債の利率を、価格変動する株などの
期待収益率から引いた残りのリターンの部分です。

 つまり、日本国債の利率を1%だったとして、TOPIX(東証株価指数)の
リターンが5%であれば、リスクプレミアムは4%となります。

 このリスクプレミアムの数字が大きいほど、大きなリターンを提供すると
言えますし、あまりに小さい場合は、リスクを取るより、安定資産の国債
にお金を入れたいと考えます。

 ですから、安定資産とされる国債を購入せず、株などの価格変動リスクが
ある商品を買う人は、リスクを引き受けるかわりに、大きなリターンを狙って
いるわけです。

 この国債よりリターンが大きいから投資しているという意味では、
アクティブ派もインデックス派も同じ理屈で、そのリスクプレミアムが
大きいのを求めてる人達がアクティブ運用し、インデックス派は
よりおとなしいリスクプレミアムの数値で納得している、ということ
になります。

 あくまでも、自分が背負えるリスクの範囲の中で、ってことですけどね。
(それ以上は、投資家ではなくて、ギャンブラー。)

 ですから、僕はアクティブに運用するには、いろんなリスクがあって、それらに
気を配る精神磨耗リスク(今、勝手に命名したリスクですが・・・)も加味すると、
ほったらかしができるイデックスファンドを買う、という方針に落ち着いた
と言うわけです。

インフレが老後をボロボロに・・・

 僕が投資をしようと思ったきっかけは、もちろんお金を増やしたい、という
動機が始まりでしたが、調べていくうちに銀行に預けていたら、インフレで
価値が目減りするという事実を知りました。実は額面は変わらなくても、
少しずつお金の価値は減っていくんだなぁ、と寂しい気持ちになったこと
を覚えています。

 たとえば、国民年金で満額積み立てれば65歳から年間80万円、1ヶ月
あたり6.6万円もらえますが、この年金を例に取ってみたいと思います。
ここではわかりやすさのために、厚生年金や企業年金などは除外して
考えましょう。
現在の日本の財政状況を見ると、支給年齢を上げる方向で検討している
ような雰囲気が伝わってきますが、仮に、この80万円のままで、この先も
支給額を変えないとすると、現在のインフレ率が0.4ですので、

10年後:80×0.99610≒76.9

20年後:80×0.99620≒73.8

30年後:80×0.99630≒70.9

と価値が目減りしていくんです。

 ちなみに、日銀の目標の一つであるインフレ率2%が実現したら、

10年後:80×0.9810≒65.4

20年後:80×0.9820≒53.4

30年後:80×0.9830≒43.6

となります。(30年後。タチの悪いギャグみたいな数字ですね)

 たしか、年金の支給条項の中で、物価指数などに連動して支給額を
変動させることができるとあったので、きっとその条項を適用してくれ
ると思うのですが・・・信じるしかない笑

 そんなわけで、これを現金のみの貯金で考えてみると、日銀のインフレ
2%って、怖すぎますよね。
現金は必要ですよ。絶対に必要な分は銀行に積んでおくべきです。
ですが、必要なお金以外は銀行に積んでおくと、インフレにボロボロに
される可能性があるわけです。その点をふまえて、自分の資産防衛作戦
を練っていきましょう!

 ではでは!

追伸:
日本のインフレはまだまだおとなしいインフレですが、数年前の
ジンバブエのハイパーインフレはひどかったですね。1年で数万%
ものインフレでしたから、お店に入ってコーヒーを注文したら、前払い
をした方が良い、店を出るときに清算すると値段が上がっているから
みたいな小話がありました。

 ちなみに、ウィキペディアによると(日本のインフレーションの項目)
2009年から120年前に遡ると日本の物価は約3000倍となっている
とのことでした。

(独り言)どうかおとなしくしてくれ。インフレさん。
決して2%なんてならないで。
と心の底から思いました。

 ただし、大局的に見ると、世界のインフレ状況から日本は遅れている
ので、これからインフレは加速させていくと思います。

-お金, 投資

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

~インデックスファンドでほったらかし投資~その16 :投資信託のバイ・アンド・ホールド戦略について

初心者が投資で儲けるためには?  「投資をすると儲かる」という話も聞くし、 「投資で大損した」という話も聞きますよね。  結論から言えば、投資は確率論の部分が必ず ありますから、確実に儲かる方法なんて …

~インデックスファンドでほったらかし投資~その9:複利効果と配当金について

配当金の良し悪し  アクティブ運用している人に、「配当金なんていらないですよ」と言ったら どうかしていると思われるでしょうが、インデックスファンドで運用して いる人は決して「配当金がほしい」なんて思わ …

~インデックスファンドでほったらかし投資~その20:景気と預金と投資について

株価と金利の関係について  最近、アメリカのFRB議長が金利を上げて いますね。最近というか、2016年12月から 実施して、今後も複数回利上げするという ことです。  ここで言う「利上げ」とは政策金 …

~インデックスファンドでほったらかし投資~その10:特定口座とNISAについて

投資にかかる税金  一般的に証券の売買をする場合、証券会社に口座を開くのですが、 その口座のことを特定口座と言います。  特定口座には2種類あって、源泉徴収ありと源泉徴収なしです。  1年間に20万円 …

~インデックスファンドでほったらかし投資~その14:個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の受取方法

受け取り方は3つ  個人型確定拠出年金の受け取り方は3つです。 1.一時金として受け取る 2.年金として受け取る 3.上記2つの併用  この時、気をつけるべきは税金と手数料です。