配当金の良し悪し
アクティブ運用している人に、「配当金なんていらないですよ」と言ったら
どうかしていると思われるでしょうが、インデックスファンドで運用して
いる人は決して「配当金がほしい」なんて思わないでください。
まぁ、アクティブ運用されている方でも、配当金が出た後の時期が株が
安くなるので、その時期に買うって人もいるかもしれないので、「配当金が
いらない」とアクティブ運用の人が言わないとは一概には 言えないのです
が、インデックスファンドで運用する場合は、配当金は 再投資にまわした
方が最終的に得られるリターンが大きくなります。
これは多くの統計でも証明されていて、アメリカの大投資家達も、
配当金は受け取らずに、再投資に回すことをオススメしています。
それには単利と複利について説明が必要になります。
単利の計算式は単純です。たとえば、単利でリターンが10%
だった場合、
100万円は1年で110万円になるので、10年目は
100万円+(10万円×10年)=200万円
という計算式でお話できます。
1年当たり、10万円のリターンというわけです。
それでは、複利の場合はどうでしょうか。
100万円の毎年のリターンが10%なので、100万円を1.1倍
することを10年続けるので、
100万円×1.1×1.1・・・・と1.1を10回かけます。
これを式にすると、
100×1.110=259万円
です。
つまり、1年目は110万円になって、2年目には110万円の
1.1倍ですから、121万円になります。
すでに、2年目にして1万円も複利が得なんですね。
そういう視点で考えてみると、いちいち配当金を現金でもらう
ことは、単利的な発想だと言えます。
株で考えてみましょう。
株価は変わらず、1年当たりのリターンが10%で配当金か、
株式再投資が選べる銘柄があったとします。
100万円預けて、1年当たりのリターンが10%とすると、10万円
儲かるわけです。で、配当金が出るので、もらっておく。
すると、次の年、100万円からのスタートで、10%リターンが
あるので、10万円儲かる。
これの繰り返しが配当金を受け取った場合です。
一方で、配当金を全額再投資するとしましょう。
100万円でスタートして、リターンは10%の同じ条件です。
1 年目は10%のリターンで株式再投資すると、110万円です。
ただし、次の年は110万円の10%のリターンを考えるので、
110万円×110%=121万円となります。その次の年は、
121万円×110%=133万円です。
で、インデックスファンドは複利的な増え方をするファンド
ですので、配当金がでない方が良いんです。むしろ、その
配当金を全部銘柄の追加購入に充てて、さらなる複利的な
成長を狙ってほしいと思えるようになりましょう。
たまに、配当金をもらうことは利益の確定だから良いと
言っている方がいますが、これは違います。
特に特定口座で運用している方であれば、配当金には
税金がかかる場合がほとんどですので、配当金をもらうと
税金で資産が削れていくのです。
ですから、銘柄選びで、毎月配当金が出るものや、インデックス
ファンドでも運用のベンチマークが配当込みと明記していないもの
はあまり魅力的にうつらないんです。
もちろん、毎月配当金がほしいという方もいるでしょうが、そういう
毎月配当金を出すファンドって手数料高かったり、突然償還日を
設定して、解散したりするので、注意が必要です。
インデックスファンドでほったらかし投資をするならば、長期投資の
視点をもって、配当金なんてもらわず、すべて再投資に回した方が
最後の果実はより甘くなると考えられます。
そういえば、さっき「特定口座」という単語を使いましたが、この
シリーズの中では解説がまだでした。
次回は特定口座とNISAについてお話したいと思います。
ではでは!